アレルギー性疾患とは

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本来ならば無害であるはずの花粉や食物などが原因となり、人体が過剰な免疫反応を引き起こしてしまう疾患です。
当院では、血液検査やパッチテストなどによってアレルゲンを特定し、この原因物質の除去・回避などをご提案するとともに、患者様の症状に応じた薬物療法などを行います。
下表のような症状のある方は、当院をご受診ください。

このような症状のときは、当院をご受診ください

  • 春先などに眼の痒み、鼻水などの症状が起こる
  • 掃除や着替えなどの際に目の痛み、くしゃみ、鼻水が出る
  • お肌が乾燥しやすく、湿疹ができやすい
  • ちょっとした刺激でも肌が赤くなる
  • 膝や肘の裏などに湿疹が起こる
  • 特定の食べ物を食べると、蕁麻疹などが見られる
  • 息苦しいときがある
  • 咳が続くことがある
  • 家族にアレルギー疾患の方がいる
など

主な疾患

蕁麻疹

蕁麻疹(じんましん)は、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり、みみず腫れ(膨疹:ぼうしん)ができては消える皮膚の症状です。膨疹は数分〜数時間で場所を変えながら出たり引いたりし、多くは24時間以内に跡を残さず消えていきます。強いかゆみを伴うことが多い一方で、チクチクする痛みや、熱いような感覚が出ることもあります。

蕁麻疹は、4週間以内に治まるものを「急性蕁麻疹」それ以上の期間にわたり繰り返すものを「慢性蕁麻疹」と呼びます。

原因について

蕁麻疹の原因は人によってさまざまです。
食べ物、薬、感染症(かぜなど)、運動や発汗、温度変化、ストレスなどがきっかけになることがあります。原因が比較的はっきりする場合もありますが、検査を行っても明確な原因が特定できないことも少なくありません。

治療について

治療の基本は、抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)の内服です。症状を抑え、再発を防ぐために使用します。多くの場合、適切に内服すると数日で落ち着いてきますが、自己判断で中止すると再発することがあります。

症状が落ち着いてきたら、医師の指示のもとで徐々に減量・中止していきます。症状が続く、繰り返す、生活に支障がある場合は、お気軽にご相談ください。

かぶれ(接触皮膚炎/金属、植物など)

接触皮膚炎(かぶれ)は、特定の物質が皮膚に触れることで、赤み・かゆみ・ブツブツ・水ぶくれなどの炎症が起こる状態です。
原因には大きく分けて、物質の刺激で起こる「刺激性」と、体質(アレルギー反応)で起こる「アレルギー性」があります。

代表的な例として、植物の成分で起こる漆(うるし)かぶれや、尿や便・蒸れ・摩擦などの刺激で起こるおむつかぶれなどがあります。金属(アクセサリー、時計、ベルトなど)や化粧品、洗剤、ゴム、薬剤(貼り薬)などが原因になることもあります。

検査について

原因がはっきりしない場合は、原因として考えられる物質を皮膚に貼り、反応を確認するパッチテストを行うことがあります。
原因が分かった場合は、その物質を含む製品を避けることで、再発を減らすことができます。

治療について

治療の基本は、原因となる刺激・物質を避けることです。そのうえで症状に応じて、

  • ステロイド外用薬(塗り薬):炎症を抑えます
  • 抗ヒスタミン薬/抗アレルギー薬(飲み薬):かゆみを抑え、掻きこわしを防ぎます

を組み合わせて治療します。かぶれが続く、繰り返す、原因が分からない場合は、お気軽にご相談ください。

食物アレルギー

食物アレルギーは、卵、落花生、小麦、乳製品など、特定の食品を食べたあとに、体の免疫が過剰に反応して症状が出る状態です。乳幼児に多くみられますが、成長とともに症状が出にくくなる方もいます。一方で、成人になってから発症したり、これまで問題なく食べられていた食品で突然症状が出たりすることもあります。

症状は人によってさまざまで、

  • 皮膚症状:じんましん、かゆみ、赤み
  • 消化器症状:腹痛、下痢、嘔吐
  • 呼吸器症状:咳、息苦しさ、のどの違和感

などがみられることがあります。気になる症状があれば、早めにご相談ください。

治療・対応について

基本は、原因と考えられる食品を避ける(摂取を控える)ことです。症状や経過に応じて、医師の判断で

  • 抗ヒスタミン薬/抗アレルギー薬(かゆみ・じんましんを抑える)
  • 必要に応じてステロイド薬など

を使用します。

また、原因の見当をつけるために、症状の経過を伺い、必要に応じて検査をご提案します。

重要:すぐに救急対応が必要な症状

食後に次のような症状がある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。
息苦しさ、声が出しにくい、唇やまぶたの腫れ、強いぐったり、意識がぼんやりなどがあれば、ただちに119番してください。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹を繰り返す皮膚の病気です。良くなったり悪くなったりを繰り返しやすく、かゆみで眠れない、集中しにくいなど、日常生活に影響することもあります。

原因は一つではなく、体質(皮膚のバリア機能の弱さ、アレルギー体質)に加えて、乾燥、汗、摩擦、生活環境、ストレスなどのさまざまな要因が関わると考えられています。乾燥しやすい方やアレルギー症状が出やすい方では、症状が起こりやすいことがあります。

治療について

アトピー性皮膚炎の治療は、①炎症を抑える、②皮膚のバリアを整える、③かゆみと掻きこわしを減らすことで、症状を安定させ、再燃(ぶり返し)を減らすことを目指します。年齢、症状の広がり、重症度、生活への影響に合わせて治療を組み合わせます。

1)スキンケア(治療の土台)
  • 保湿剤で乾燥を防ぎ、皮膚バリアを整えます
  • 入浴は「やさしく洗う・こすらない」、入浴後は早めに保湿します
  • 汗・摩擦・衣類の刺激など、悪化要因への対策もご説明します
2)外用療法(塗り薬:炎症を抑える中心治療)

部位(顔・首・体・手足)や皮膚の厚み、炎症の強さに合わせて使い分けます。

  • ステロイド外用薬:赤み・かゆみなどの炎症を速やかに抑えます(強さ・剤形を調整)
  • タクロリムス軟膏などの外用薬:顔・首など、部位や状況に応じて使用します
  • 症状が落ち着いた後も、再燃を防ぐために維持療法(間隔をあけて塗る治療)をご提案することがあります。
3)内服療法(飲み薬:かゆみ・炎症を補助)
  • 抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬):かゆみを抑え、掻きこわしを減らします(眠気の出にくい薬など体質に合わせて選択)
  • 症状や合併症に応じて、必要な内服治療を検討します
4)紫外線療法(当院で実施する場合)

外用治療だけでは十分にコントロールできない場合や、広い範囲に症状がある場合に有効なことがあります。

  • ナローバンドUVB(全身/局所)などの紫外線療法により、皮膚の過剰な免疫反応を抑え、炎症を落ち着かせることを目指します。
    治療頻度や期間は症状によって異なるため、診察でご相談のうえ決定します。
5)注射製剤(生物学的製剤)

中等症〜重症で、外用治療や紫外線療法だけでは十分に改善しない場合、注射治療が選択肢になります。

当院で検討する注射製剤(例)/作用機序
  • デュピクセントIL-4/IL-13経路を抑える(IL-4Rα阻害)
  • アドトラーザIL-13を抑える(抗IL-13抗体)
  • イブグリースIL-13を抑える(抗IL-13抗体)
  • ミチーガIL-31(かゆみに関わるサイトカイン)を抑える(抗IL-31受容体A抗体)
  • 適応年齢や重症度、既往歴により適否が異なります。治療導入時は、効果と安全性、通院頻度、費用などを丁寧にご説明します。
6)内服治療(全身治療)

症状が強い場合や生活への支障が大きい場合に検討します。

  • JAK阻害薬(内服):例)ウパダシチニブ、アブロシチニブ、バリシチニブ など
  • 免疫抑制薬(内服):例)シクロスポリン など
  • これらは効果が期待できる一方で、患者様の状態によっては検査や注意が必要になります。適応を確認し、必要なモニタリング(血液検査など)を行いながら治療します。
受診の目安
  • かゆみで眠れない、日常生活に支障がある
  • 広範囲に広がる/繰り返す
  • じゅくじゅく・痛み・膿など感染が疑われる

このような場合は早めにご相談ください。